DIARYダイアリー

ニュージーランドのコロナウイルス対策

2020年5月10日

ロックダウン、7週間目。

ニュージーランドは3月26日から新型コロナウイルスに対しての警戒レベルを4に上げ、国中のロックダウンが始まった。

レベル4では、病院やスーパーのような最低限の必要不可欠な企業以外は営業不可になった。ロックダウンの間は自宅からの不必要な外出は禁止されており、私の学校では現地の生徒は、国内の自宅に戻り、特別に留学生だけ学校に滞在できるようになった。

学校の外に住んでいる先生たちは入ってくることができなくなるから、私たちの世話をしてくれることになった先生たちは、家族ごと学校の敷地内に引っ越してきた。ロックダウンの期間、先生たちも含めて、学校内にいる人たちは全員、外に出ることが出来ない。
そのため、学校の敷地外にいる先生が、必要なものを買い物してきてくれることになった。もちろんその先生は、敷地内には入ってこれないから、荷物だけを受け取る。

スーパーでの買い物は、一世帯から一人ずつしか買い物に行くことができず、レジに並ぶ際には、2メートルの間隔を空けなくてはいけなくなった。国内線やバスなど、国内の交通機関も止まり、人の行き来はほぼ無くなった。

最初、私はこの国の対策は、すごくオーバーだと思っていた。ニュージーランドでは感染者数50人ほどで全世界からの入国者に対して、入国後14日間の自主隔離を実施。100人でロックダウン開始。

アーダーン首相は、ニュージーランドのことを繰り返し「500万人のチーム」と呼んで、メッセージを配信した。国民全員が一丸となってコロナに戦おうと言う首相からのメッセージだと思った。

首相が直接ライブ中継をして国民からの質問に答えていた。首相からの的確な指示と国を守ろうと言う強い意志が国民の気持ちを団結させたのであろう。
ロックダウンに対しての不平なども、聞こえてこなかった。

ロックダウンを開始したばかりのとき、感染者数が毎日増えていき1000人を超えた。私は、レベル4の期間は伸びるだろうと思った。毎日、みんながインターネットで「corona nz 」と調べて新しい情報を収集していた。
いつになったら、終息するんだろうと、不安に思っていた。

そんなある日、ぴたりと感染者数が伸びなくなった。感染者数よりも、回復した人数の方が増えていき、それとともに私が気にしていた感染者数を調べる頻度も減っていった。

3週間前に新型コロナ警戒レベルはレベル4からレベル3に下がった。レベル3では仕事、学校、買物、運動以外は自宅で自粛することが求められ、地域間の移動は依然として感染リスクが高いとして規制されている。よって、引き続きロックダウンは続行。 

しかし、このまま、順調に感染者数が減れば来週からレベル2に下がる。5月11日の月曜日に政府からの発表がある。レベル2に下がると、かなり規制が緩和されロックダウンが解除される。学校も再開し、自由に外に行くことができる。
コロナウイルスに勝ったんだ。国中の人がそう思っているだろう。

レベル1になるまでには最低でも三ヶ月はかかる。世界では、感染者数が増えていく中、ニュージーランドは新規感染者数0人。
現在、感染者数は、350人、死者数は21人。
近く、レベル2に下がるかが政府から発表されるだろう。まだまだ、気を緩めることはできない。
それでも、私には、自由に外に出ている私たちの姿が見えている。

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早朝の学校。もうすぐ、この国の夜も明ける。