DIARYダイアリー

春のヒマラヤ登山、中止になったけれども・・・

2020年3月17日

毎日新たな変化がある。最近は特に気持ちが上がったり下がったり。4月に予定していたヒマラヤ遠征。
私たちは新型コロナウイルスの影響でネパールに行くことができなくなった。この一年の最初の大きな挑戦としていた目標がこういう形で消えてしまった。ヒマラヤに向けて集中していただけにとても悲しい。

「医療体制が不十分なネパールに感染が広がれば大変な事になる。ヒマラヤは逃げない。必ず次があるさ。」父が言ってくれた。そうだね、ヒマラヤは逃げない。私達がにげているわけではないから。

ネパールに行けなくなった分、その期間を何かに当てたい。何もしないで終わってしまうのは嫌だ。沢山のアイディアを出してはまた状況が変わって、新しいアイディアをだす。その繰り返しで最近は脳が忙しい。
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ニュージーランドは元から検疫を徹底している。アジア人が多く住んでいるニュージーランドだけれど、新型コロナウイルスの発症例は少ない。だから、私の学校のある街では新型コロナの影響は少ない。

日々生活している中では新型コロナを感じることのない街。しかし、私たちアジア人留学生は新型コロナの影響を感じることがある。現地の人から「コロナ!」と叫ばれた。ここにもその影響は来ているんだな。差別が特段酷いわけでもないし、沢山言われているわけでもない。たったの数回の話だけど言われた時は悲しい。

言い返したいけど、言い返したことはない。言い返せばスッキリするかもしれない。言い返さないのは怖いからだ。勇気が足りない。
また相手の土俵には乗りたくないし、乗れない。


お父さんに「偏見はいけない事だけれど、人間が人間である以上は残念ながらなくならない。理不尽な事にも強くなることが大切だよ」と言われたことがある。子供の頃に「ガイジン、ガイジン」と虐められたお父さんからのアドバイスだ。
言い返すべきか、かわすのか、正解も不正解もない。


今の私はしなやかにかわしたい。あの八ヶ岳で雪の重みに耐えていた木の枝みたいに。

今は悔しいけど耐えて早く終息することを祈る。

皆がみんな、そういう風な考え方を持ってる訳では無い。私の韓国人の友達が街に出かけたとき現地の子に「コロナウイルス」と叫ばれた。その後、その男の子と一緒にいた女の子が「ごめんなさい、みんながそんな風に思っているわけではないの」と謝ってきた。この話をきいて、気持ちが明るくなった。

早く、皆が安心できる世界になって欲しい。

今、世界中がコロナウイルスで緊張している。心に余裕を持てなくなっている人も多いのだろう。普段はそういう事を言わない人も、不安や怒りの矛先をどこに向けていいのか分からなくなって、いっぱいいっぱいになっているのだと思う。

気持ちは下がることが多いけど、美味しいパンケーキを友達と作って食べたり、ダンスを踊ったり、部屋でゆっくりして幸せを感じて、気持ちを切り替えようと思う。そしてこの悔しさをバネにして、ヒマラヤに向け今日もトレーニングをする。

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