DIARYダイアリー

3年越しのヒマラヤ

2023年4月 7日

2023年1月、久しぶりに日本でのお正月を過ごすはずだったが、私はネパールにいた。
3週間のトレッキングをへて、かねてからの目標である6000m級のアイランドピークを目指したのだ。
元々は2020年に父と挑戦する予定だったが、コロナによって延期することになり、3年ほどに日本に帰国できずにニュージーランドで過ごした。
3年ぶりのヒマラヤの感覚を取り戻すのに時間がかかったが、久しぶりに再会したシェルパの方々も変わってなくて、とてもうれしかった。

順調に高所順応して臨んだアイランドピークだったが、登頂アタック当日、なんと、父と共に寝坊してしまい、出発が1時間も遅れ、スタートはドタバタになってしまった。
冬のヒマラヤは、私が経験した中で1番寒く、指を懸命に動かし続けないと、凍死してしまうのではないかととても不安だった。登山中、ずっと指を動かしていたからか、登頂後も数日指の関節に痛みを感じるほどだった。
アイランドピークは、父が以前に登った時とは様子がかなり変わっていたようで、氷河がかなり溶け岩が剥き出しの状態だった。その為、予定していた登山ルートが変わり、垂直に200メートルほど氷の壁を登ることになったのだ。初めての氷壁で、氷もゴツゴツとしていて何度も何度も諦めたくなったが、同時に初めての6000mの景色がどんなものなのかを見てみたく、それを胸に一歩一歩ゆっくりと踏み出した。
そして、とうとう、登頂!6,189mの頂上からは360度、7000,8000m級の山見渡すことができ、あまりにも美しく見惚れてしまった。アイランドピークは、父が19歳の時に登頂した山であり、そこに18歳である私が父と共に来れたことが感慨深く、父と共有できる思い出が増えることも嬉しかった。

それにしても、ネパールで山よりももっと怖いのは飛行機!世界一危険とまで言われているエベレスト街道のルクラ空港から乗る飛行機は、いつもドキドキ。
今回も、父と共にお互い健康に問題なく、指もなくさず事故にも遭わず、無事に日本に帰ってこられた。
「生きて帰る」これが、私の山の挑戦でのゴールです。
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吊り橋を渡って、標高を上げていく

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夕暮れのヒマラヤ

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ヒマラヤでも心を落ち着かせる

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一歩一歩上を目指す

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登頂!

写真集も、ぜひ、ご覧ください。
https://www.noguchi-eko.com/photo/20230420231.html