DIARYダイアリー

1年ぶりの八ヶ岳

2020年2月 6日

ミーンミンミンミンミーン
太陽からまっすぐ刺さってくる日差しに対抗するセミの声。外は31度もある。
先週、私は、ニュージーランド に戻ってきた。
教室の壁には、休みの間に生徒が先生に送ったポストカードが飾ってある。
私が送ったクリスマスカードも飾ってある。冷房がかかった部屋に冬景色のカードは似つかない。
一気に冬から夏に来たから体もびっくりしている。

私がこの休みに雪に触れたのは父と八ヶ岳登山した時。
約一年ぶりの日本での雪山登山だった。
この一年間の前半は、ずっと山づくめだったから四ヶ月間、山に行ってない事がすごく長く感じた。
靴紐を結うのも、アイゼンをつけるのも、銀世界も全部が久しぶり。
今回の登山ではあることを意識しながら登った。
それは、父の写真を撮る。

人の写真を撮るのは苦手。どの角度がいいか、どうしたら自然体になるか。
写真は撮ってる時は満足しても後で見返すとイマイチなことがよくある。
そこが本当に難しい。私に取られることに慣れてない父が不自然な表情をしているのが面白い。
そこが、私の写真のポイント!
そうやって写真をずっと撮りながら登っていたからか、いつもより体力がなくなっている気がした。

中学2年の春、天狗岳に登った時はみんなよりも前に行き、どんどん登ってたのに今回は父の後ろを着いていく。
少し、山に行かない期間が開くだけで、体力をなくしてしまう。少し悲しかった。
でも登山の感覚は残ってた。父の足を見ながら同じところに足を置いて歩く。
楽器を弾く感覚だって時間を開ければ薄れる。
「山に行かないと自分の中にすっぽりと穴が開く」と言っていた父の言葉が最近ほんとに共感できる。
私の頭の中はすっかり山に侵されているのかな。

今年は雪が少なかったけれど、樹木は枝に乗る重たい雪に負けないように頑張って踏ん張っていた。
木にとっては、一年の中で今が一番の頑張りどき。
私にとっては4月の6000メートル越えが頑張りどき。
もうすでにその準備期間が始まっている。

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